腎臓から尿道につながる尿路に結石ができる疾患で、結石のある部位によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。診断はまずCTで結石の有無を確認します。CTならレントゲンに映らない成分の結石も確認できます。痛みがある場合は鎮痛剤を使用します。結石の大きさが7mmを越えると自然に排石する確率が低くなるので破砕手術をお勧めいたします。腎盂腎炎を合併するようであれば最寄りの救急病院へご紹介いたします。

泌尿器の疾患
泌尿器の疾患
腎臓から尿道につながる尿路に結石ができる疾患で、結石のある部位によって腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石に分けられます。診断はまずCTで結石の有無を確認します。CTならレントゲンに映らない成分の結石も確認できます。痛みがある場合は鎮痛剤を使用します。結石の大きさが7mmを越えると自然に排石する確率が低くなるので破砕手術をお勧めいたします。腎盂腎炎を合併するようであれば最寄りの救急病院へご紹介いたします。
急な尿意でトイレに間に合わなくなる、トイレが近い、夜間何度も起きるなどの症状がある方。多くは一過性の原因を伴うことがありますが、中には神経疾患、膠原病、悪性腫瘍などが隠れているケースもあるため、広く検査をして鑑別する必要があります。多くは生活習慣や尿路感染症による原因がほとんどです。
前立腺肥大症は、前立腺の病気のなかで最も頻度の高い病気です。前立腺が肥大して様々な排尿障害が生じてきます。前立腺肥大が軽度でも内腔が閉塞してくると排尿障害を伴います。まずは画像診断で大きさを測定し、排尿の状態を調べるため尿流測定検査と残尿測定を行います。また前立腺がんとの鑑別のためPSA検査(血液検査)を必ず行います。放っておくと残尿が増えてきて、神経因性膀胱に発展する場合もあります。さらに悪化して尿閉になると腎臓に逆流して腎後性腎不全になり生命に関わる病状に発展するケースもあります。
薬物療法は症状改善薬のため基本的には中止することはあまりありません。また薬の種類によっては内服していても肥大そのものは進行してくるため、加療中でも状況が変化することもございます。手術についてのご相談は随時承りますので、適切な病院へご紹介いたします。
尿道炎
排尿時の違和感、かゆみ、ムズムズ、痛痒い、ヒリヒリ、尿が近い(頻尿)、尿道から分泌物や膿が出るなどの症状があります。症状を感じる部位も、尿道の奥や尿の出口が痛いなど様々で、人によっては症状がまったく出ないケースもあります。
膀胱炎
尿をするときに尿道や膀胱に痛みを感じる(排尿痛)、尿をした後も尿が膀胱に残っている感じがする(残尿感)、尿が近い(頻尿)、尿が濁る(尿混濁)といった症状がありますが、発熱はありません。非常に強い炎症により、膀胱がひどくただれているときには尿に血が混じること(血尿)もあります。
腎盂腎炎
腎臓は背中側で背骨の左右にあり、腎臓部分の痛みと発熱があります。発熱は38℃以上の高いものがほとんどで、炎症が強い場合、血尿がみられることもあります。
急性前立腺炎の多くは大腸菌などの細菌が尿道から侵入し、前立腺に感染することで起きますが、血液やリンパ液から細菌が前立腺に侵入して感染する場合もあります。症状としては、高熱(発熱)や排尿困難、排尿痛や残尿感、頻尿、全身倦怠感が生じます。急激に悪化した場合、敗血症などを併発する危険性があるため早期治療が重要です。慢性前立腺炎は長時間座ったままの姿勢を取り続ける人、働き盛りの20~40代に多いのが特徴です。会陰部の不快感、排尿時排尿後の痛み、射精時射精後の痛み、精液に血が混じるなどの症状が現れます。治療は症状によって異なりますが、症状が改善するまでに数ヶ月かかることもあります。
尿失禁は、40歳以上で4割の方が経験しているといわれており、トラブルを抱えて悩んでいる女性も少なくありません。尿失禁は自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう症状で、「切迫性尿失禁」「腹圧性尿失禁」「溢流性尿失禁」「機能性尿失禁」に分類されています。
切迫性尿失禁は、急に襲われる切迫感のある尿意があり、我慢できずに漏れてしまうという症状です。排尿コントロールがうまくいかず、トイレに駆け込む事態が生じ、外出や乗り物の移動中に困ることがあります。腹圧性尿失禁は女性の尿失禁の中で最も多く、咳やくしゃみ、笑ったときや重い荷物を持ったときなど、お腹に圧がかかったときに尿が漏れてしまう症状です。骨盤底の筋肉の緩みが原因で、妊娠や出産、加齢などを契機に発症します。このほか、尿を排出したいのに出せず、少しずつ漏れてしまう溢流性尿失禁や、認知症や運動機能の低下が原因で起こる機能性尿失禁があります。尿失禁は、状態や症状に応じて治療と対策方法があります。我慢したり諦めたりせず、早めにご相談ください。
女性に多く、初期には無症候であることが多いですが、膀胱壁の損傷と共に長年のうちに、恥骨上部および骨盤に圧迫感または疼痛が起こり、頻尿や尿意切迫感といった症状が出現します。これらの症状は膀胱が充満するにつれて悪化し、排尿すると低下します。一部の患者では排卵、月経、季節性アレルギー、身体的もしくは精神的ストレス、性交の際にも悪化することがあります。また、カリウム含有量の多い食品(例、柑橘類、チョコレート、カフェイン入り飲料、トマト)により増悪する場合もあります。
はっきりとした原因は不明ですが、保護作用のある尿路上皮のムチンが失われ、尿中カリウムなどの尿中の物質が膀胱壁に浸透し、知覚神経を活性化したり平滑筋を損傷したりすることで生じると考えられています。治療法としては生活習慣の改善や膀胱訓練、薬物療法などがあります。間質性膀胱炎は治療により改善することが多いため、1日に何度もトイレへ行ってしまう、骨盤付近に圧迫感や疼痛があるといった症状が出た場合、早めの受診をお勧めします。
加齢の変化で骨盤底の筋肉が弱くなり、子宮や膣壁が正常の位置より病的に下垂する病気です。進行すると膣外に子宮、膣、膀胱、腸管などの臓器が排出される状態になります。更年期以降の女性に認められ、お産経験がある女性の約半数に生じるともいわれています。軽度では自覚症状がなく、進行すると尿失禁や頻尿、異物感などが生じてきますが、脱出部位により、症状は様々です。治療は体操(骨盤底筋訓練)、スターフォーマー、ペッサリー(膣内に器具を入れて下垂を抑える)療法、手術療法があり、症状や年齢によって選択されます。
腎臓は、ソラマメのような形をした、成人の握りこぶしよりもやや大きい臓器です。ちょうど肋骨の下端あたりの高さの腹部に、左右1つずつあります。腎臓の主な働きは、血液を濾過して尿を作ることです。また、腎臓は血圧のコントロールや造血に関するホルモンの生成、ビタミンDの活性化なども行っています。腎臓がんとは、腎臓の尿細管上皮細胞ががん化したもので、腎がんとも言います。腎臓を構成する細胞ががん化して悪性腫瘍になったものを腎細胞がんと言います。初期で症状が出ることは稀で、人間ドックなどの検査で偶然発見されるケースがほとんどです。骨や肺、脳に転移したがんが先に見つかり、原発巣のがんとして腎細胞がんが発見されることも少なくありません。
進行にともない、血尿、腹部のしこり、背中や腰の痛み、足のむくみ、食欲不振、吐き気や便秘、腹痛といった様々な全身症状が現れます。好発年齢は50〜70代で男性に多い傾向があり、高齢になるほど発症頻度が高くなります。喫煙や肥満が腎細胞がんの危険因子となります。また、長期間にわたって腎透析を受けていることも危険因子の一つになりうると考えられています。近年腎がんの治療は進歩が目覚ましく、今や不治の病から脱しつつあります。診断時に転移があるなど進行している場合でも、適切な治療により治癒が得られる可能性もあります。たとえ自覚症状がなくても、心配なことがあれば当院にご相談ください。
腎盂・尿管の粘膜(移行上皮)より発生するがんが腎盂・尿管がんです。腎盂と尿管は上部尿路と呼ばれ、それぞれのがん治療法に差はあまりなく、一般的に腎盂・尿管がんという1つのグループとして考えます。上部尿路がんとも言い、発症頻度は比較的稀で膀胱がんの約1/20です。最も多い症状は無痛性の肉眼でもわかる血尿です。がんが周囲に広がったり、尿管が血液で詰まったりした場合などに、尿管結石と似たような背中や腰、わき腹などに痛みが現れることがあります。痛みは現れては消えてを繰り返します。その他に、頻尿、排尿痛、水腎症などの症状が考えられます。
腎臓で作られた尿は、腎盂から尿管をとおり膀胱に貯められます。腎盂、尿管、膀胱は密接に関わっているため、腎盂・尿管がんに罹患した場合は、同時に膀胱がんのリスクも高まります。男性と女性を比べると4:1で男性に多く、50〜60代で発症し、高齢になるほど発症頻度が高くなります。一番の原因は喫煙と考えられています。
膀胱がんは、膀胱内の尿路上皮ががん化することによって引き起こされ、一般的に赤色や茶色の尿(肉眼的血尿)がでます。また頻繁に尿意を感じる、排尿するときに痛みがあるなど膀胱炎(頻尿、残尿感、排尿痛、排尿困難)の症状が出ることもあります。そのため膀胱炎の検査をする中で、膀胱がんが発見されるケースが確認されています。男性と女性を比べると3:1で男性に多く、60〜70代で発症し、高齢になるほど増えていく傾向があります。一番の原因は喫煙と考えられていて、喫煙者は非喫煙者に比べると、膀胱がんのリスクが約4倍高いと言われています。またその他の原因として仕事などの作業中に危険物質に晒される、職業性曝露(ナフチルアミン、ベンジジン、アミノフェニル)などが考えられます。診断方法としては画像検査(超音波検査、CT)や尿細胞診検査、膀胱鏡検査でしっかり診断いたします。
前立腺がんは高齢化に伴い急増傾向にあります。前立腺肥大症と前立腺がんは、全く異なる病気にもかかわらず、頻尿、尿の出が悪いなど、表に現れる症状がほとんど同じです。自覚症状がないため、自覚した時には骨に転移していることもあり、足や腰の痛みを感じて発見されるケースも少なくないのです。そこで活用して欲しいのが、PSA(前立腺特異抗原)測定です。PSAは、前立腺が作り出しているタンパク質の一つなのですが、がん細胞は正常な細胞に比べて多く産生してしまうため、血液中に多くのPSAが流出します。血液検査でPSA値を調べることでがんの早期発見が可能です。PSA測定は、簡単で精度が高い検査方法といえます。
前立腺がんのもう一つの特徴として、進行が非常にゆっくりであることです。前立腺がんであっても自覚も症状もなく(潜在がん)、天寿をまっとうすることも少なくありません。一方、進行も早く悪性度が高い前立腺がんもありますので、早期にがんを発見し、治療選択を適切に行う必要があります。当院では、前立腺がん治療の豊富な経験をもとに、診断・治療を行います。また、検診や治療方針の相談もお受けします。
夜間頻尿とは就寝中にトイレに1回以上起きなければならない症状を夜間頻尿といいます。特に困っていない方は無理に治療する必要はございませんが、回数が増えて日常生活に影響を及ぼすような方は積極的に治療をしましょう。
まずは一般的な頻尿の検査を行いながら、排尿日誌を作成していただきます。
夜尿症と遺尿症の違いは、尿漏れが起こる時間帯にあります。夜尿症は夜間に限って尿漏れが起こる状態を指し、遺尿症は昼夜問わず尿漏れが起こる状態を指します。乳幼児期における夜尿はおねしょと呼ばれますが、小学校に入学する頃(5~6歳)になってもなかなかおねしょが治らない場合に、夜尿症と診断されます。機能的な問題がなければ、治療について提示いたしますが、まずは慌てずにゆっくりと様子を見ていきましょう。
EDは「Erectile Dysfunction(勃起機能の低下)」の略で、「勃起不全」や「勃起障害」とも呼ばれる症状です。まったく勃起しないだけでなく、「十分な硬さが得られない」「途中で萎えてしまう」といった場合もEDに含まれます。気になることがあればお気軽にご相談ください。当院では患者さまのご要望を考慮しながら薬剤を処方いたします。
男性更年期(加齢男性性腺機能低下症、LOH症候群:Late-Onset Hypogonadism)とは、加齢に伴って男性ホルモン(主にテストステロン)の分泌が低下し、心身にさまざまな不調が現れる状態を指します。女性の更年期と異なり、男性の場合はホルモンの低下がゆるやかであるため、症状の出方や程度には個人差があります。また、ストレスや生活習慣の影響も大きく関与すると考えられています。
身体的症状
精神的症状
診断には、問診や血液検査(主に遊離テストステロン値の測定)を行います。症状とホルモン値の両方を総合的に判断して診断されます。
治療法には以下のようなものがあります。
ホルモン補充療法は、医師が必要と判断した場合にのみ実施されます。前立腺がん、またはその疑いがある方には、テストステロン補充療法を行うことはできません。なお、本療法は保険適用外のため、自費診療となります。
治療の安全性を確保するために、定期的な採血による客観的な評価を行い、補充の継続が適切かどうかを判断します。主な副作用として「多血(赤血球の増加)」があり、これが顕著な場合には、補充療法の一時中止や投与方法の見直しを行います
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